[シリーズGWS]第1回 なぜゲヒルンはGWSを作ったのか
みなさんこんにちは。isidaiです。本記事をご覧くださいましてありがとうございます。 Gehirn Newsでは、今月から「シリーズGWS」と題して、GWSのコンセプトや使い方を例示しながら、新しくなった Gehirn Web Services の魅力についてお伝えしていきます。
第1回となる今回は、「なぜゲヒルンはGWSを作ったのか」というテーマで、解説していきます。
GWSの源流
GWSの源流は、2002年に筆者が始めた自宅サーバ運営から始まります。
当時、小学6年生で有料レンタルサーバーを借りるという発想はありませんでしたが、ホームページと呼ばれる個人のWebサイトが大変流行っていました。
たとえば、「ロリポップ!」はサービス開始が2001年、「さくらのレンタルサーバー」が現在の形になったのは2004年ですから、それよりも前ですとなかなか良いレンタルサーバーサービスもありませんでした。そもそも、小学生ですから、有料で借りるというのも長続きしません。
いくつかの無料サーバも満足の行くものでは無かったのです。
そこで、ADSLで常時接続時代が到来したこともあって、自宅サーバでサイトを公開することにしました。しばらくしてから、同年代の方々や学校の友達でもサーバに困っていることがわかり、貸し出し始めたというところに、現在のGWSがつながります。
自宅サーバを構築するのは2002年、2003年頃では情報も少なく難しい物でしたが、良い勉強になりました。その後、2007年のセキュリティ・キャンプ参加後に大幅なアップデートを行い、暫くの間自宅サーバによるレンタルサーバーサービスは続きました。
GWSのはじまり
ゲヒルンでWebサービスを作ったり、サイトを公開するときにも必ず必要になるのがサーバです。共用サーバからVPS、専用サーバ、クラウドと様々な選択肢があります。
最初の頃は、レンタルサーバーかVPSを使っていましたが、だんだんと問題も出てきます。 その問題を解決するべく、GWSを作り始めました。
なぜGWSが必要だったのか
色々とサーバを構築していくうちに、問題も出てきました。
- 契約がバラバラになる、ひとつのコントロールパネルにまとまっていない
- そもそもコントロールパネルが使いづらい
- 法人内の複数人での利用に適さない
- セキュリティアップデートやバックアップの管理が煩雑
- 台数が増えるに連れていつも使うOSのセットアップ・設定が面倒になった
- 気軽に実験する環境を整えたい
- DNSの設定できることに制限がある
さまざまなサービスを使っていく中で、上記の問題が出てきました。 しかし、上記の問題を安価に解決できるサービスはありませんでした。
たとえばゲヒルン技術開発部技術局では、ほとんどの職員が 「Yubikey」 というデバイスを所持しています。しかし、このYubikeyを多要素認証に使用できるインフラストラクチャサービスはありませんでした。
そして、複数人でサーバの契約を管理したり、コントロールパネルを使う場合にもひとつのアカウントIDとパスワードをメンバーで共有したりすると、退職者が出た時にはパスワードの変更を余儀なくされていました。読者の皆さんの会社では、コントロールパネルのアカウントを社内で共有していたりしないでしょうか。
そのほか、VPSを借りるとパッケージのアップデート状況や、バックアップの管理が煩雑になったり、OSをセットアップして環境を構築する手間が増えていきました。
そこで、自社にとって一番使いやすいサーバ管理環境を作ろうとしたのがGWSです。
4月1日のPublic Preview で GWS は、さらなる進化を遂げました。GWSがこだわったのは、「セキュリティとバックアップ」「人的コストの削減(自動化)」「操作性」でした。
GWSの基本思想は、ゲヒルンが欲しくて作ったものを低コストで他の法人・個人事業主、もしくは個人の開発環境として提供しようというものです。
- 多要素認証
- 複数人によるリソース管理
- きめ細やかな権限管理とAPIキーの発行
- 操作性の良いコントロールパネル
- リソースが分離されたサーバ環境
- 自動バックアップと世代管理
- Apache、NginxやFastCGIなどのプロトコルから選べるWebサイトのバックエンド
かつて、これらの機能を低コストで利用できるサービスがあったでしょうか。 すべてマネージメントされたGWSを使うだけで、これらにかかる保守管理コストや人的コストをすべて削減できるでしょう。
おそらく、自社サイト、小さいWebアプリケーションなどの小規模・中規模サイトをVPSで構築し保守しているチームは、上記のような課題を抱えているところもあるのではないかなと思います。
そうした方をターゲットにGWSはより強化され、Public Previewを開始したのです。
まとめ
今回は、GWSがなぜ社内で必要とされたのか、そしてどうしてWebサービスとして皆様に提供をし始めたのかについてお伝えしました。
第2回では、今回説明した「プロジェクト機能の役割と意味」をより深く、スクリーンショットを交えてわかりやすく、その魅力をお伝えしたいと思います。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。